医療コラム

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妊娠初期の腹痛/生理痛のような痛み? 妊娠初期に起こる4種類の腹痛とその原因を医師が解説

妊娠すると、時間の経過とともに体にさまざまな変化が現れます。妊娠初期には、多くの方が下腹部の鈍い痛みを感じることがあり、軽い場合は軽度の張りや違和感程度ですが、重い場合には強いけいれん痛や持続的な腹痛を伴うこともあります。SNSや掲示板でも、妊娠初期の腹部不快感について多くの投稿があり、「生理痛のようだ」と感じる方や、夜中に痛みで目が覚める方もいます。では、妊娠初期に下腹部が鈍く痛むのはなぜでしょうか?胎児に影響はあるのでしょうか?ここでは、妊娠初期の腹痛の原因と症状について詳しく解説します。

妊娠初期の腹痛を理解するために

  • 妊娠初期の腹痛の原因は?
  • 4種類の腹痛部位と各症状について
  • 妊娠初期の下腹部痛が生理痛のように感じるのは正常か?
  • 妊娠初期の腹痛はどのくらい続くのか?
  • 妊娠初期に腹痛と出血がある場合、流産のリスクはあるか?

妊娠初期の腹痛の原因は?

妊娠初期に軽く短時間の腹痛や下腹部の痛みが現れる場合は、多くの場合で正常な現象です。子宮の血流増加や消化器の不調が原因で起こることがあります。しかし、腹痛が激しく、数日間続く場合や、同時に陰部出血・下痢・嘔吐などの症状がある場合は、すぐに医療機関を受診する必要があります。

原因1:子宮の血流増加
妊娠初期は胚胎が順調に着床できるように、子宮に血液が集まり血流が増加します。月経時のような重だるい痛みが現れることがありますが、十分に休息すれば緩和します。通常は妊娠7~8週頃に起こり、妊娠12~13週頃に落ち着きます。

原因2:消化器の不調
妊娠初期はホルモン分泌の影響で腸の動きが遅くなり、腹部膨満、便秘、下痢が起こりやすくなります。腹部にけいれんや膨張感の痛みが生じます。

原因3:子宮外妊娠
妊娠初期に持続する片側の腹痛がある場合、胚の着床位置が異常である「子宮外妊娠」の可能性があります。通常は出血を伴い、卵管破裂や大量の膣出血などの危険な状態につながる可能性があるため、早急に受診する必要があります。

原因4:切迫流産
子宮が持続的に収縮し陣痛のような痛みがあり、さらに膣出血を伴う場合は「切迫流産」の可能性があります。必ず早めに医療機関を受診します。検査で子宮の拡張がなく胎児の心拍が正常であれば、治療と安静を守ることで妊娠を継続できることが多いです。

原因5:常位胎盤早期剝離
胎盤が子宮壁から剥がれ、胎盤と子宮の間の血管のつながりが破壊されると、妊婦に異常出血が起こります。適切に処置しない場合、母体と胎児の生命に危険が及ぶ可能性があります。

4種類の腹痛部位と各症状について

腹痛が起こった場合、へそを中心に上、下、左、右に分けて痛みの位置から考えられる原因を判断することができます。

左上腹部痛
胃腸の不調が原因である可能性があります。重症の場合は胃炎や胃潰瘍などの疾患が起こることがあります。

右上腹部痛
胆のうは肝臓の下に位置しています。そのため右上腹部の痛みは、胆のう、膵臓、肝臓の炎症によって引き起こされる可能性があります。

左下腹部痛
卵巣や腸の異常が原因で腹痛が起こる可能性があります。また、便秘による痛みであることもあります。

右下腹部痛
卵巣、腸、虫垂が原因で腹痛が起こる可能性があります。虫垂炎の可能性もあります。

妊娠初期の下腹部痛が生理痛のように感じるのは正常?

妊娠初期に生理痛のような腹痛や重苦しい痛みを感じる人もいます。下腹部痛の感じ方から、ある程度その状態が正常かどうかを判断することができます。

下腹部の鈍い痛み
妊娠初期の下腹部の鈍い痛みは、胚の着床がまだ不安定なことによって起こる場合があります。痛みは一時的で、生理前のような重だるい感覚に似ており、少し休めば落ち着くことがほとんどです。ただし、こうした痛みが持続する場合は、子宮外妊娠の可能性もあるため、医療機関での受診をおすすめします。

下腹部の差し込むような痛み、張るような痛み
妊娠初期に下腹部の差し込むような痛みや張りを感じる場合、ホルモン変化による胃腸症状が原因であることがあります。胃腸の不快感が続く場合は、食事をあっさりした内容に調整し、軽い散歩などで腸の動きを促すことも有効です。

下腹部のだるい痛み・重い痛み
妊娠に伴うホルモン変化や子宮への刺激により、腰のだるさや腹痛を感じることがあります。この場合は、無理を避けて十分に休息をとることが大切です。

下腹部のつるような痛み・引きつるような痛み
軽く引きつるような痛みがある場合は、妊娠により子宮が大きくなることで、子宮を支える靭帯が引っ張られて起こる可能性があります。通常は特別な治療を必要としません。

  • 妊娠初期の症状と腹部の変化にはほかにどのようなものがありますか?
    妊娠初期は腹痛だけでなく、胎児が徐々に発育し子宮が大きくなるにつれて、お腹に膨満感が生じます。さらに、触ると硬く感じることもあります。
  • 妊娠初期の腹痛はどのくらい続くのか?
    妊娠初期に起こる腹痛の持続期間は個人差があり、数日から数週間続くこともあります。正常な腹痛の場合、1回の痛みはおおよそ30分~1時間程度でおさまることが多いです。ただし、腹痛の時間が長く続いたり、痛みが強くなる場合は、すぐに医療機関を受診することをお勧めします。

妊娠初期に腹痛と出血がある場合、流産のリスクはあるか?

妊娠初期に腹痛と同時に膣出血があると、流産ではないかと心配になる妊婦さんもいます。一般的に、着床による出血は茶色の点状出血であることが多く、「着床出血」の可能性があります。もし出血量が多い場合や、生理のような鮮紅色の出血があり、さらに強い腹痛を伴う場合は、すぐに医療機関を受診することをお勧めします。妊娠初期に下腹部の重だるい痛みが起こった場合は、まず痛みの程度、持続時間、出血の有無を観察します。軽度で短時間の腹痛であれば、まずは十分に休息を取り、体調の変化が改善するか様子をみます。ただし、腹痛が長時間続く場合や激しい痛みがある場合、また異常な出血を伴う場合は、胎児への影響や妊娠の継続が困難になる可能性もあるため、できるだけ早く医師の診察を受けてください。

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