医療コラム

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モザイク胚とは?着床前染色体スクリーニングで検出することは可能か?

モザイク胚とは?

近年の医療技術の進歩に伴い、以前は高齢な夫婦が体外受精で成功しにくかったり、胎児発育停止や流産のリスクに直面することが多くありました。よく耳にするモザイク胚とは、1つの胚盤胞内に染色体異常と正常の2種類の細胞系統が同時に存在するものを指します。主な原因は高齢により染色体変異が起こりやすいためですが、着床前染色体スクリーニング(PGS)という技術により除外でき、体外受精の成功率を50%から80%へ大幅に高めることが可能です。

PGS遺伝子スクリーニングとは、胚移植前に胚の一部を生検し、胚盤胞の栄養外胚葉から5〜10個程度の細胞を採取して、全ゲノム増幅を行い、23対の染色体数を解析する検査です。この検査により、染色体数が正常な胚を選択して移植することが可能となります。

当院では現在、解析度の高い「高解像度次世代シーケンス解析プラットフォーム(hr-NGS)」を採用しており、従来のチップ型全ゲノム定量解析プラットフォーム(aCGH)に比べ、より正確な胚のスクリーニング能力を提供できます。


染色体異常度はどう判断するか?

従来型のチップで分析する場合、異常度50%を境に正常かどうかを判断していました。しかし、新型の次世代解析プラットフォームでは、異常率20%以下を正常、30〜40%を低モザイク胚、50〜80%を高モザイク胚として分類します。

体外受精を行うご夫婦が、遺伝子スクリーニングの報告でモザイク胚と出ると、移植すべきかどうか、将来健康な赤ちゃんが生まれるかどうかと心配になることが多いです。特に高年齢のために状態の良い胚を獲得しにくく、移植をしなければ次のチャンスがない場合は、判断が非常に難しくなります。

当院の林秉瑤医師は、台湾生殖医学会優秀論文賞を受賞し、モザイク胚に関する臨床結果を発表しました。1年半にわたる症例収集の結果、高モザイク胚はモザイク度の低い胚に比べ、妊娠率はやや低く、流産率はやや高いものの、健康な赤ちゃんを出産できることが分かりました。また、出生時の週数や体重に有意な差はありませんでした。

当院は、体外受精をにおいて非常に豊富な経歴があり、これまでモザイク胚から出生したお子さまは、いずれも良好な経過をたどっています。胚には一定の自己修復能力が備わっていると考えられており、さらに妊娠中における定期的な妊婦健診、羊水検査および各種の高度出生前検査を通じて胎児の発育を継続的に評価することで、安心して出産を迎えられるよう努めています。

そのため、染色体が完全に正常と判定された胚が得られない場合でも、状況に応じてモザイク胚の移植を選択肢の一つとして検討することが可能です。当院では、十分な説明とご理解のもとで患者様の治療方針を決定し、ご夫婦の「親になる」という願いの実現をサポートいたします。

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