医療コラム

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黄体ホルモンの作用とは?なぜ不足すると補充する必要があるのか?

黄体ホルモンは妊娠において重要な役割を果たすため、妊娠を希望する女性は、黄体ホルモンが不足すると妊娠の成功率に影響することを必ず理解する必要があります。

黄体ホルモン徹底解説

  • 黄体ホルモンとは何か
  • 黄体ホルモン不足が引き起こす結果
  • 黄体ホルモン不足の原因
  • 黄体ホルモン不足が各段階に与える影響

黄体ホルモンとは何か

黄体ホルモン Progesterone(P4)、プロゲステロンは女性ホルモンの一種で、月経周期に応じて分泌量が変化します。

月経周期の後半にあたる黄体期には、黄体ホルモンの分泌が増加し、胚移植・受精卵の着床に備えて子宮内膜を整えます。胚が着床した後は、黄体ホルモンが妊娠の維持をサポートし、安定した妊娠継続を助けます。
妊娠中において黄体ホルモンは重要な役割を担い、子宮の収縮を抑制することで流産の予防につながる「妊娠の維持作用」を有しています。

さらに、黄体ホルモンは子宮内膜層の動脈血流を増やし、腺分泌を促進し、組織内のグリコーゲン、アミノ酸、体液の供給量を増やして妊娠の維持をサポートします。そのため、妊娠ホルモンとも呼ばれます。

黄体ホルモンの月経周期における役割

黄体ホルモンの分泌は月経周期に関連しており、月経周期の後半「黄体期」では持続的に分泌され、徐々にピークに達します。これにより子宮内膜が膨張・成長し、内膜内の血管も増殖して、胚の着床に備えた良好な環境を整えます。

黄体期には子宮頚部の分泌物の粘度が高くなります。受精卵が着床に成功すると、胚の栄養膜から分泌される絨毛膜性腺ホルモンが卵巣の黄体を刺激し、黄体ホルモンの分泌が持続します。これにより子宮内膜はさらに厚くなり、胚の発育に必要な理想的な環境を維持します。

黄体ホルモン(P4)の値は採血で測定できます。通常、排卵前はこのホルモン値が1 ng/ml未満で、排卵後は徐々に上昇し15 ng/ml以上になります。

黄体ホルモン不足が引き起こす結果

女性が黄体ホルモン不足になると、月経の規則性や経血量に影響し、月経時の不快感、情緒不安定、睡眠障害などの月経前症候群の症状が出やすくなります。妊娠後に黄体ホルモンが不足すると、妊娠初期が不安定になり、流産のリスクが高まります。

月経期 妊娠期
月経が来ない、月経周期の乱れ、月経前症候群、経血量の異常、月経前の点状出血、頭痛、腹部膨満、むくみ、乳房の痛みなどの症状を引き起こす可能性があります。 胚の着床が不安定になり、妊娠中の出血を引き起こす可能性があり、流産につながることがあります。

黄体ホルモン不足の原因

  1. 老化:年齢が上がるにつれて女性の卵巣機能は徐々に衰え、黄体ホルモンの分泌が不足する可能性がある。
  2. 生活習慣の乱れ:喫煙、飲酒、夜更かしは体の内分泌バランスに影響する。
  3. 病気や薬の服用:がんの化学療法は体の内分泌バランスに影響を与える可能性がある。
  4. 強いストレス:ストレスが強いと内分泌のバランスが崩れ、黄体ホルモンの分泌に影響する。
  5. 無排卵、過度の肥満:無排卵自体が内分泌の不均衡を引き起こす可能性があり、過度の肥満も排卵や内分泌に影響する。

黄体ホルモン不足が各段階に与える影響

適用段階 黄体ホルモン不足の影響
未妊娠の女性
月経前症候群のある女性
1.月経が来ない、月経周期の乱れ、経血量の異常、月経前の点状出血の可能
2.
月経前症候群(頭痛、腹部膨満、むくみ、乳房の痛み)などの症状が出る
妊娠を希望する女性 子宮内膜が十分に安定せず、機能が不十分で胚の着床に適さなくなる
妊婦の流産予防 子宮内膜が安定していないと、妊娠中の出血を引き起こす可能性があり、重症の場合は流産につながる可能性がある
更年期の女性 1.卵巣機能の萎縮により、エストロゲンと黄体ホルモンの分泌が徐々に減少し、更年期の不快症状(ホットフラッシュ、動悸、気分変動、睡眠障害)が現れる。
2.エストロゲンと黄体ホルモンの不均衡が起こる
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