採卵個数はいくつが正常?40歳の採卵数はどのように評価する?採卵個数と体外受精成功のポイント
体外受精で妊娠を目指す場合、「採卵数は何個くらいが正常なのか」と気になる方は多いでしょう。臨床的には、推奨される採卵数は年齢とともに多くなる傾向があります。これは、年齢が上がるにつれて卵子の質が低下し、受精後に良好胚へと発育する割合も低下するためであり、体外受精の成功率にも大きく影響します。そのため、35歳で目安となる採卵数と、40歳で目安となる採卵数は同じではありません。年齢が高くなるほど、妊娠の可能性を高めるために、より多くの卵子を確保することが重要とされています。以下では、採卵数の目安や年齢との関係について、詳しく解説していきます。
採卵数はいくつが正常?採卵数と年齢の関係

※備考1:2022年における、台湾籍で配偶者の精子・卵子を用いた生殖補助医療を受けた妻の年齢と、妊娠率・生産率との関係(対象:58,476治療周期)
※備考2:年齢が25歳未満および44歳以上の場合、周期数が少ないため、年齢を合併して統計計算しています
臨床データの統計によると、卵子の質は妊娠率および出生率に影響する主要な要因となります。上の図からもわかるように、妊娠率・出生率はいずれも年齢とともに低下しており、特に38歳を過ぎると急激に低下する傾向がみられます。

*備考1:参考文献 Yen and Jaffe’s Reproductive Endocrinology
また、年齢が上がるにつれて、胚の染色体異常が起こる確率も高くなることがわかっています。特に35歳を過ぎると、染色体異常のリスクは大きく上昇する傾向があります。
35歳から40歳の推奨採卵数
推奨採卵数は年齢によって異なり、主な理由は高齢になるほど染色体異常の確率が高くなるためです。
- 35歳未満の妊活中の夫婦:採卵数は10~20個を推奨
- 40歳以上の場合:採卵数は40個以上を推奨
| 年齢 | <35歲 | 35~38歲 | 39~40歲 | >40歲 |
|---|---|---|---|---|
| 推奨採卵数 | 10~20個 | 15~25個 | 20~30個 | >40個 |
採卵数は体外受精の成功率に影響する?
採卵できる卵子の数は、治療成功率に影響する要素の一つです。採卵数が多いほど、受精・培養によって得られる胚の数も増えるため、その中からより良好な胚を選択しやすくなります。
一方で、採卵数が少ない場合は得られる胚の数も限られるため、選択できる胚の幅が狭くなる傾向があります。年齢も、体外受精の成功率に影響する重要な要因の一つです。年齢が上がるにつれて、体外受精の成功率は低下する傾向があります。下表のデータからもわかるように、茂盛病院における単一胚移植あたりの妊娠率は、35歳未満で70.6%、40歳以上で56%となっています。
| 年齢層 | 35歲以下 | 35-37歲 | 38-40歲 | 40歲以上 |
|---|---|---|---|---|
| 台湾の胚移植妊娠率 | 52.5% | 49% | 43.8% | 31.6% |
| 当院のPGS胚移植の妊娠率 | 77.2% | 68.9% | 76.3% | 69.1% |
| 当院の胚盤胞融解移植の妊娠率 | 70.4% | 68.9% | 67.6% | 63.15% |
備考1:上表に示した各年齢層の単一胚移植による体外受精の成功率は、国健署の「111年度人工生殖施行結果報告(凍結胚・新鮮胚を含む)」および、茂盛病院における111年度の院内統計データをもとにしています。
卵子数が限られている場合、精子の質が低い、あるいは精子数が少ないことも、良好胚が得られる割合に影響を及ぼす要因となります。茂盛病院では、第2世代の体外受精技術「単一精子顕微注(ICSI)」も行っています。顕微授精では、胚培養士が専用の保持ピペットで卵子を固定し、1個の精子を注入用ピペットで採取したうえで、卵子の細胞質内へ直接注入します。この方法により、受精の成立をサポートし、胚の形成につながる可能性を高めます。
採卵数が少ない場合の対策は?
採卵数が少ない場合は、主治医と一緒にいくつかの治療戦略を検討することが勧められます。以下に項目ごとに説明します。
貯卵
1回の採卵で得られる卵子数が少ない場合には、複数周期にわたって採卵を行い、卵子や胚を蓄積していく方法を選択することがあります。
卵子提供
AMH<0.1の場合、卵子が全く採れない可能性があります。その場合、ドナーの卵子を使用した卵子提供による治療も可能で、台湾で利用できる生殖治療の選択肢の1つです。
胚の選別・検査
卵子数が少ない場合、得られる胚の数も限られる傾向があります。しかし、着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)やAIによる胚評価技術などを活用し、相対的に良好な胚を選択することで、胚移植後の妊娠率向上が期待できます。
採卵後はどのくらいで回復する?
採卵手術後、身体は1~2週間ほどで徐々に回復します。以下では、よく見かける採卵後の疑問について、医師が解説します。
取卵後、いつから性行為を再開していいですか?
採卵後1週間は、性行為を控えていただくことをおすすめします。排卵誘発剤の使用により、卵巣内では複数の卵胞が発育しているため、採卵後の卵巣は腫大した状態になっています。この時期に強い刺激や激しい動きが加わると、卵巣捻転を引き起こすリスクがあるため注意が必要です。採卵後1週間程度は無理をせず、十分に安静に過ごしていただくことをおすすめします。
採卵後、月経は不規則になりませんか?
採卵治療では排卵薬を使用するため、子宮内膜が早めに剥がれ、次回の月経は早まることがあります。通常、採卵手術後8~10日で来ることが多く、その次の月経周期からは正常に戻ります。ただし、個人差で心理的要素やホルモン注射への反応が敏感な場合、月経周期が不規則になることもあります。その場合、身体と心をしっかり休め、1~2か月観察して月経が戻るか確認してください。もし月経が戻らない場合は、主治医に相談して検査を受けましょう。
採卵後、次回はいつ再採卵可能ですか?
採卵後はまず1週間休養し、身体に特別な不調がなければ、次の周期で再採卵を検討できます。ただし、排卵誘発剤の影響で卵巣過剰刺激症候群(OHSS)が起きた場合は、身体を休めて回復してから次回の採卵計画を立てることが推奨されます。いずれの場合も、主治医に身体の状態を評価してもらうことが重要です。
生命の奇跡は、一つの選択から始まります。当院は皆さまと手を取り合い、専門知識と愛をもって、あなたの大切な妊娠・出産への道のりに寄り添います。精密な医療技術と、心のこもったサポートで、赤ちゃんを迎えるお手伝いをします。