医療コラム

胚移植前の食事ガイド|パイナップルやカフェインの噂と着床率を高める正しい知識

「食べれば必ず着床する食品」はある?体外受精中の食事にまつわる噂を解説

実は、「これを食べれば必ず着床する」「これを食べると着床に失敗する」と医学的に証明された食品はありません。 しかし、世間では「胚移植前には鶏精(チキンエッセンス)を飲むとよい」「体外受精中はコーヒーを飲まないほうがよい」といったさまざまな説が広く知られています。実際には、着床の成否を左右する重要な要因は食べ物ではなく、胚の質、子宮内膜の状態、年齢、染色体の正常性、そして処方された薬を正しく使用できているかどうかです。体外受精治療中には、特定の食品に関するさまざまな情報や噂があります。ここでは、よく耳にする食事に関する説についてご紹介します。

胚の着床に影響する5つの重要な医学的要因

「着床に良い」とされる特定の食品を探すことよりも、体外受精の成功を左右するのは、次の5つの医学的要因です。

1. 胚の質
胚が良好に発育し、十分な分割能力を備えているかどうかが重要です。

2. 染色体が正常であること
PGT-Aなどの着床前遺伝学的検査を行うことで、染色体異常のない胚を選択し、胚の評価精度を高めることができます。

3. 子宮内膜の状態
子宮内膜の厚さや血流が、胚の着床に適した状態であることが重要です。

4. 女性の年齢
年齢は卵子や胚の質に大きく影響する重要な要因です。

5. 処方された薬を正しく使用すること
黄体ホルモン製剤などの支持療法を、医師の指示どおりに使用することが大切です。

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「何を食べるか」よりも大切なこと

着床を促す特定の食品を気にするよりも、栄養バランスの取れた食事を心がけ、十分なタンパク質を摂取することが大切です。また、生ものやアルコールを避け、食中毒や下痢を予防するために衛生的な食事を心がけましょう。さらに、血糖値の急激な変動を避けること、処方された薬を自己判断で中止しないこと、規則正しい生活と穏やかな気持ちを保つことが、より重要です。

胚移植の前後は、特に次の点を意識することをおすすめします。

  • 栄養バランスの良い食事と十分なタンパク質を摂る
    卵、豆類、赤身肉、魚などの良質なタンパク質を積極的に摂取し、体調を整えましょう。
  • 生ものを避け、食事の衛生管理を徹底する
    刺身や半熟卵などは避け、下痢や胃腸炎による子宮収縮のリスクを防ぎましょう。
  • 血糖値の急激な変動を避ける
    糖分や精製された炭水化物の摂り過ぎを控え、血糖値を安定させることを心がけましょう。
  • 医師の指示を守って服薬する
    自己判断で薬を中止したり、服用量を変更したりしないようにしましょう。
  • 規則正しい生活とリラックスした気持ちを保つ
    十分な睡眠と心身のリラックスは、胚が着床しやすい環境づくりにつながります。

女性一人ひとりの体の状態は異なります。体外受精治療中の食事やお薬についてご不安やご不明な点がございましたら、お気軽に当院の医療サービスチームまでご相談ください。