医療コラム

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子宮をより正確に確認できる経膣超音波検査、不妊症検査の重要なポイント

不妊症検査において、経膣超音波検査は欠かせない検査項目の一つです。不妊症の検査だけでなく、一般の婦人科でも経膣超音波はよく使用されます。しかし、このように一般的な検査項目であっても、経膣超音波についての理解が十分でないため、多くの女性が抵抗感や不安を感じています。

また、経膣超音波、腹部超音波、子宮鏡検査など、さまざまな検査名があるため、検査のタイミングや内容がわかりにくいことがあります。経膣超音波は子宮超音波と同じでしょうか。本記事では、その誤解を解き明かし、経膣超音波についてより理解できるようにします。

経腟超音波とは?

いわゆる超音波検査(Transvaginal sonogram, TVS)とは、音波の反射の原理を利用し、プローブで内臓の状態をスキャンし、機器を通して音波を画像に変換する検査です。経膣超音波の原理は腹部超音波と同じですが、プローブを膣内に挿入することで、卵巣や子宮の状態をより適切に確認できます。

経腟超音波と腹部超音波、子宮鏡の違い

経膣超音波、腹部超音波、子宮鏡はいずれも婦人科でよく行われる検査項目です。経膣超音波と腹部超音波の違いは、超音波プローブの設置場所と、検査対象となる臓器の位置にあります。経膣超音波を行うことに抵抗を感じる妊婦もいますが、医師は個々の状況に応じて適切な検査を行います。経膣超音波は婦人科の病気をより正確に診断するのに役立ちます。

経腟超音波検査
経膣超音波は、プローブを膣内に挿入して子宮、子宮頸部、卵巣を直接スキャンする検査で、膀胱を満たす必要はありません。経膣超音波は婦人科の病気の検査において腹部超音波よりも正確性が高いため、婦人科でよく行われる検査項目となっています。

腹部超音波検査
腹部超音波は、腹部の皮膚と脂肪を通して、尿や羊水を媒介として超音波を骨盤内の臓器に当て、プローブでスキャンする検査です。被検者の脂肪層が厚い場合や、当日の腹部の張りや便秘で画像の鮮明さに影響が出る場合、また妊娠8週前で胚が小さく腹部超音波で確認できない場合は、経膣超音波を用いることで検査の正確性を高めることができます。腹部超音波が適さない例として、子宮後屈の患者が挙げられます。子宮の位置が腹部から遠いため、腹部超音波の解像度が大幅に低下するため、経膣超音波の方が適しており、専門医の判断に基づいて行うことが推奨されます。

経腟超音波と腹部超音波の違い

  経膣超音波 腹部超音波
プローブの形状 細長 幅広
プローブの位置 膣内 腹部
検査対象の臓器 卵巣、子宮、子宮頸 肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓、子宮など
膀胱の充満 不要 必要

子宮鏡とは?子宮超音波と同じ?
実は「子宮超音波」というものは存在せず、超音波で子宮を観察する方法は主にプローブを膣内に挿入して行うため、「経膣超音波」という名称の方が正確です。一方、子宮鏡は別の一般的な婦人科検査であり、超音波とは異なる形式です。子宮鏡(hysteroscopy、略称HSC)は子宮内視鏡の略称で、直径の非常に小さい内視鏡を通して子宮腔内を直接撮影します。子宮鏡検査により、子宮腔内の病変を発見し、子宮の疾患(例えば、子宮内膜ポリープ、子宮癒着、子宮中隔、子宮筋腫、子宮内膜炎など)の診断に役立ちます。また、治療型子宮鏡もあり、内視鏡手術の一種として、子宮内膜ポリープや筋腫などの増殖組織の切除、子宮中隔の切除、子宮癒着剥離術の施行も可能です。

経腟超音波検査の手順

医師と超音波技師の対応について:
超音波技師は経膣超音波のプローブを消毒し、一次使用の保護カバーを装着します。プローブには適量の潤滑剤を塗布して、膣内への挿入をスムーズにし、患者の不快感を軽減します。超音波技師はプローブを体内の構造に沿ってゆっくり挿入し、角度を調整しながら異なる骨盤内の臓器を検査します。

超音波プローブから発せられる高周波の音波により、技師はモニター上で子宮、卵巣、周囲の構造をリアルタイムで確認できます。患者の状況に応じて、技師は複数回のスキャンを行い、さまざまな角度から鮮明な画像を取得します。局所的に異常が見られる場合は、その部位を詳細にスキャンし、観察や測定を行って医師による解析や他の検査結果との比較に用います。

この検査手順からもわかる通り、経膣超音波検査自体で一定の不快感が生じます。子宮後屈の患者では、角度を大きく調整する必要があるため、より強い不快感や痛みを伴うことがあります。これは、鮮明な画像を得るためにプローブを調整する際、骨盤内に圧力がかかることによるものです。しかし、超音波技師は注意深く操作し、患者の反応に応じて検査過程を調整し、不快感を最小限に抑えます。

検査当日に腹部の張りや便秘がある場合、卵巣の観察に影響し、画像が鮮明に映らないことがあります。その場合、技師は軽く腹部を押さえるなどして、より良い視野を確保し、診断の正確性を高めることがあります。

また、性交経験のない女性は検査を行うことができません。自然分娩の経験がある女性は不快感が比較的少ない場合があります。しかし、腹部超音波と比べて経膣超音波は体内に深く挿入し、子宮や卵巣に密着して観察するため、診断の正確性が高く、疾患の状態では避けられない検査となります。

患者側の対応について:
検査前には、患者様にできる限りリラックスしてもらい、専門家を信頼して医師や超音波技師に協力することが大切です。無意識に足をぎゅっと閉じるなどの動作や、検査器具を避けようとする反応は、検査時に反作用力を生じさせます。これを避けることで、腹部の抵抗や不快感、場合によっては痛みを軽減できます。

超音波の説明については、緊張しやすい方や不快感を感じやすい方は、事前に超音波技師に伝えてから操作を開始してもらうとよいです。診察室に戻った後、医師が検査内容の説明や結果の解説を行います。このような手順は一見簡単に思えますが、医療従事者にとって操作はかなり難しく、患者様と医療側の双方の協力があって初めて円滑に進めることができます。

経腟超音波検査のタイミング

妊娠を希望する女性:

  • 人工生殖治療:不妊科では経膣超音波を使って卵巣や卵胞の状態を観察し、子宮内膜の厚さも確認します。これにより、医師が採卵や胚移植のタイミングを判断します。
  • 妊娠前の健診:婚前・婚後に関わらず、妊娠の計画がある場合は病院で検査を受け、子宮や卵巣の状態を確認できます。
  • 排卵日の評価:経膣超音波で卵胞の成熟状態や子宮内膜の厚さを観察し、排卵日を推算します。

妊娠中の女性:

  • 妊娠初期:妊娠8週以前は、胚がまだ小さいことや胚の着床位置が低いことがあるため、経膣超音波で胚の着床状況を観察します。
  • 異常出血:妊娠中期から後期にかけては、子宮頸管の長さを測定し、早産の可能性があるかどうかを判断します。

妊娠していない女性:

  • 月経周期の乱れ
  • 骨盤内の痛み
  • 膣からの異常出血
  • 腹部検査での異常
  • 卵巣がんの家族歴

経腟超音波検査の注意事項

経膣超音波はプローブを膣内に挿入するため、侵襲性のある検査です。そのため、性交経験のない女性には適していません(性交経験がない場合は、検査前に医療スタッフに必ず伝えてください)。また、月経は経膣超音波の実施に影響しません。不妊症科の患者で卵巣の卵胞数を観察する場合、月経期間は経膣超音波を行うのにむしろ適した時期です。検査は医師の指示に従って行えば問題ありません。

検査前の注意事項:

  1. 排尿:膀胱を空にすることで、超音波画像がより鮮明になります。
  2. 快適でゆったりとした服装:着脱しやすい服装をおすすめします。
  3. リラックスする:検査中に緊張して全身がこわばると、検査時間や不快感が増してしまう可能性があります。

経腟超音波検査で感染や流産を引き起こすことは?

経膣超音波のプローブには、使用ごとに新しい保護カバーを装着し、検査終了後に交換するため、感染のリスクはありません。また、経膣超音波は音波の原理を利用して行う検査であり、妊婦や胎児に悪影響を及ぼすことはありません。経膣超音波が流産を引き起こすという噂は、妊娠自体に本来10〜15%の流産リスクがあり、そのうち約80%が妊娠初期に発生することに起因しています。妊娠初期には胚の着床状況を観察するため経膣超音波が行われることが多く、そのため一般の人々が経膣超音波と早期流産を誤って関連付けてしまうことが原因とされています。