54歳で母親になる夢を実現。卵子提供で授かった新しい命
台中市在住の54歳の李さんは、晩婚で「どうしても子どもが欲しい」という思いから、各地の医療機関を受診してきました。その過程で友人から勧められ、台湾のお寺(白沙屯媽祖)に祈願するよう助言を受けました。
李さんは白沙屯拱天宮を参拝した後、「台中の茂盛病院で不妊治療を受けなさい」とのお告げを受けたといいます。その後、7年間にわたり治療を続け、合計15回の採卵と2回の胚移植を経験しましたが、いずれも妊娠には至りませんでした。
最終的に医師の提案で、自己卵による治療から卵子提供による体外受精へ切り替えたところ、ついに妊娠へと至ったのです。そして今年2月、無事に健康な女の子を出産し、54歳にして長年の夢だった「母親になる」という願いを叶えました。

▲李さんは46歳で結婚し、子どもを授かることを願って白沙屯拱天宮の媽祖に祈願しました。(写真:白沙屯拱天宮公式Facebookより)
台中市在住の李さんは、46歳で結婚しました。「母親になりたい」という強い願いから、体調を整えながら各地の医療機関で治療を続けていました。その過程で、親しい友人から信仰の力に頼ってみることを勧められ、慈悲深いことで知られる白沙屯媽祖に祈願しました。その後、茂盛病院を受診し、不妊治療を開始しました。
李さんはこれまで、合計15回の採卵を受け、計14個の卵子を採取しました。しかし、卵子の状態は思わしくなく、妊娠には至ることはありませんでした。その結果に大きなショックを受け、一度は治療を中断せざるを得ませんでした。
それでも「母親になりたい」という思いを諦めることはできませんでした。担当の陳明哲医師は、長年にわたり辛い治療を続けてきた李さんの姿を見て、妊娠率を高める方法として「卵子提供」を提案しました。ご夫婦は1年以上かけて何度も話し合い、十分に検討した末、卵子提供を受けることを決断し、ドナーとのマッチングを開始しました。
マッチングされた卵子ドナーは、2回の採卵で計37個の卵子を提供し、そのうち12個の胚盤胞を得ることができました。陳医師は、AIによる胚評価システムを用いた第4世代体外受精技術を使うことで、最も良好な胚を選択し、さらに着床前染色体検査(PGS)で染色体に異常がないことを確認したうえで、昨年6月に胚移植を実施しました。
その結果、胚は無事に着床・発育し、李さんは待望の妊娠を実現しました。妊娠中は身長に体調管理を行い、今年2月、健康な女の子を無事出産しました。
40年以上にわたり生殖医療に携わってきた陳医師は、「李さんが長年にわたり苦労を重ねてきた姿を見て、本当に胸が痛みました」と振り返ります。高齢になると妊娠そのものが難しくなるうえ、李さんは自身の卵子での妊娠を希望していたため、長い年月をかけて卵子を育て、採卵を繰り返してきました。
しかし、研究では、高齢女性では卵子の数・質ともに大きく低下することが分かっています。45歳以上の女性が自身の卵子で体外受精を行い、染色体が正常な胚を得て出産に至る確率は5%未満とされています。また、超高齢妊娠では妊娠中や新生児の合併症リスクも高く、45歳以上では妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群の発症率が平均の2~4倍、新生児死亡率は約2倍、50歳以上では新生児死亡率が10倍以上になるとの報告もあります。
陳医師はさらに、「38歳を過ぎると、胚の染色体異常率は50%を超え、流産率も高くなります」と説明しています。そのため、母体と赤ちゃん双方の安全を最優先に考え、李さんには治療前にさまざまな健康診断を実施しました。
李さんは50歳を超えていましたが、体育教師として日頃から健康管理を徹底していたこともあり、身体機能は非常に良好で、各種検査でも妊娠・出産に十分耐えられると判断されました。その結果、体外受精治療を継続することができ、無事に健康な女の子を出産することができました。