治療ストーリー

卵子提供はあきらめではなく、もう一つの勇気ある選択

卵巣機能低下・AMH 0.03、それでも1回の胚移植で妊娠

「最初は、子どもと血のつながりがないことを受け入れるのがとても難しかったです。でも、卵子提供で授かった子であっても、10か月お腹の中で大切に育てて、この子は私の栄養を受けて成長し、私が産んだ大切なわが子です。」

そう話してくださったのは、小檸(シャオニン)さんです。

34歳のとき、卵巣機能の低下により、AMHはわずか0.1でした。

当時はまだ未婚で、卵子凍結も検討しましたが、AMHが極めて低いことや採卵できる可能性、費用などを総合的に考え、一度見送ることにしました。

結婚後、38歳になった小檸さんのAMHは0.03まで低下していました。そして、診察室で卵子提供という選択肢について相談されました。

「ほかに選択肢はありませんでした。約1年間悩み続けた末に、自分に最後のチャンスをあげようと決めました。」

そして翌年の夏、小檸さんは元気でかわいらしい赤ちゃんを出産しました。

「赤ちゃんが生まれた瞬間も、まだ信じられませんでした。目の前で元気いっぱいに泣いている姿を見て、『本当に健康に生まれてきてくれたんだ』と実感しました。」

「この子を見つめるたびに、涙があふれます。この日を迎えるまでに、どれほど身体的にも精神的にも大きな負担を乗り越えてきたか、自分自身が一番よく分かっているからです。まさか私も、自分の子どもを授かるという夢を叶えられるなんて思ってもいませんでした。」

生殖医療では、一人ひとりが抱える状況は異なります。

排卵の調整が必要な方もいれば、卵巣機能や年齢、身体の状態を踏まえながら、自分に合った妊娠への選択肢を検討する方もいます。

どの道を選ぶとしても、決して簡単なものではありません。

大切なのは、ご自身の身体に合った方法であり、そして、ご自身の心が少しずつ前向きになれる道を見つけることです。

赤ちゃんがあなたのもとへ来てくれる方法は、最初に思い描いていたものとは違うかもしれません。

それでも、ようやくその小さな命を腕に抱いたとき、きっとこう思えるはずです。

「ここまで歩んできた道には、すべて意味があった」と。